フリースタイルダンジョンと高校生ラップ選手権で一躍有名となった、T-PablowとYZERRによるHIPHOPグループ、2WIN。GRANDMASTERというレーベルに所属している。2015年にBORN TO WINというアルバムを発売した。
このアルバムがやばい。現在はBADHOPとして人気を博している彼らだが、2WINとしての楽曲も負けず劣らずのクオリティで、むしろ、私的には2WINの楽曲のほうが好みだ。リリックのリアリティが半端ではなく、20歳の男の子にこんな言葉が吐けるのか…と驚きを隠せなかった。
BORN TO WINの中で、本気で食らった楽曲を4つ書いていく。
Pain away / 2WIN
一番やばい楽曲。T-PablowとYZERRは双子であり、同じ家庭で育てられたのだと思うが、Pain awayは2人の複雑な家庭環境をリリックに起こした曲だ。
体験した出来事や置かれていた環境、その時の心情の描写が非常にリアルで、彼らの痛みが強烈に表現されている。
HIPHOPの根底には弱者の反発・抵抗が在ると思うんだけど、Pain awayはその点において正にHIPHOPな一曲だ。
今のところ、T-PablowとYZERRが出している楽曲の中で最もやばい曲だと思っている。
That letter / 2WIN
YZERRは少年院に入っていた時期があるらしい。
That letterは、そのときにT-PablowがYZERR宛に書いた手紙をテーマにしている様子。確実なことは分からないが、リリックではそのように表現されている。
That letterは、リリックがとても具体的で、ストーリー調に綴られている。That letterだけで一つの物語のようになっているので、一曲聴くだけでも満足度が高い。
たくさんの時間をHIPHOPにつぎこんできたんだろうなあと思った。韻もしっかりと踏んでいるので、聴き心地も良い。
Do it like me / 2WIN
Do it like meは、疾走感のある爽快な一曲。「うつむいてないで、前向いてやっていこうぜ」って感じのリリックで、メロディも爽やかだから聴きやすい。
セルフボースの強い一曲なので、落ちこんでるときやこれから何かを頑張ろうというときに聴くといい。私は、職場の昼休みにDo it like meを聴いて勇気と元気をもらっていた。
ちなみに、featしているEGOは、2010年くらいから精力的に活動を行っている、GRANDMASTER所属のラッパーだ。私もまだ未チェックなので、これからディグっていこうかと思う。
Love or die / 2WIN
Love or dieは、曲名の通り恋愛ソングだ。YouTubeではT-Pablowがソロで歌っている。
憧れの女性に恋い焦がれ、君しかいないんだと恋煩いに陥った男の歌。こうやって説明すると女々しく思うかもしれないんだけど、確かにリリックはちょっと女々しいかもしれない。
でも、2WINの2人が歌うとめちゃめちゃ渋く聴こえるので、実際は全然女々しくない。なんだろう、腹括った男みたいな渋さ。
実体験なのだが、高嶺の女性に恋をして振られてしまったときにLove or dieをめちゃめちゃ聴いた。何とかして振り向いてもらえないかと思ったが、全くうまくいかなかった。
まとめ
BADHOPに比べると、2WINはリリックにこだわりがあるように思う。どの楽曲もリリックが具体的で、ライムもしっかりと落とす。
BADHOPは、メロディやリズムで魅せるタイプに思う。私は、日本語にしっかりと食らいたいタイプなので、どちらかというと2WINのほうが好みだ。
しかし、BADHOPの楽曲もやばいものが多いので、一概に比べることはできない。最近はBADHOPでの活動が忙しいためか、2WINでの動きは全く見せていないけど、GRANDMASTERのHPにはまだ名前が載っているので、2WINそのものは消滅していない様子。
今はBADHOPを大きくすることに注力すべき時期だと思うので、色々落ち着いて余裕ができたら、また2WINで曲を出してほしい。
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