6年ぶりのアルバム『ヒップホップ・ドリーム』
2018年2月下旬に発売された『ヒップホップ・ドリーム』は、2012年8月に発売された『MURDARATION』以来、およそ6年ぶりのアルバムとなった。
この6年間で漢自身にも大きな変化があったのではないかと思う。フリースタイルダンジョンの出現によりMCバトルが明るみに晒され、当時から先陣を切っていた漢は当然の如く新時代の荒波にもまれる結果となった。
さらに、その荒波の中でも先陣を切り続けた。音源でもMCバトルでも、常に開拓者としてHIPHOPへ貢献してきたのである。その功績は計り知れない。
『ヒップホップ・ドリーム』は、そんな新時代の渦中にいる漢が創り出したアルバムと言えるだろう。
大きな話題に!「ワルノリデキマッテル」のMV
その『ヒップホップ・ドリーム』に収録されている楽曲、「ワルノリデキマッテル」のMVが先日YouTubeに公開された。
このMVが大きな話題となっている。曲名の通り、悪ノリがMVにたくさん盛り込まれているんだけど、あまりにも悪ノリが過ぎるということで話題になっているようだ。
私もMVをチェックしてみたが、これは悪ノリの範疇を大きくはみ出していると思った。最早清々しい領域まで悪ふざけをしている。
最初のパートは小学校が舞台になっていて、ランドセルを背負った漢が生徒になって悪ノリをするシーンが収められている。
使用した画像は下記のMVから引用
漢 a.k.a. GAMI / ワルノリデキマッテル - YouTube
まず最初のパートから悪ノリが凄い。先生に対して、牛乳をぶっかけるわ、食べ物を投げつけるわで、とにかくやりたい放題。PTAやECO団体からとんでもない数の苦情がきそうだ。
次のパートでは、理容師に扮した漢が客の髪の毛で悪ふざけするシーンが収められている。白い粉をかけすぎ…。
戦極でお馴染みの正社員氏も登場。ラジオの収録中に漢が正社員氏を拉致する。
周囲には崖しかない荒野まで連行する。そこには、KENTHE390がいた。漢に右腕的な立ち位置の振る舞い。
そして、正社員氏を爆破。相当に大きな爆炎が立ち上っている。悪ふざけでは済まされないレベルである。
「やるならとことんやる」新宿ストリートでリアルを歌い続ける漢は、MVを制作するうえでもそんな姿勢を崩さなかった。
そしてラスト。何故かKENTHE390がバーナーで燃やされる。「あちいか!KENあちいか!?」と楽しそうに燃やす漢の姿は、どこからどうみてもギャング。
まとめ
昨今のHIPHOPシーンは良くも悪くも良い子が多い。お洒落でセンスがあって細身な人が多い印象だ。様々なラッパーのMVを見ても、そのことがよくわかる。
「ワルノリデキマッテル」のMVは、倫理的に見ればアウトなことばかりだろう。善いか悪いで考えれば、善いわけがない。
しかし、善いだけでは伝えきれないことや表現しきれないことが沢山ある。何故なら、リアルは善いことだけではないからだ。
新宿ストリートレペゼン、誰よりもリアルなMC漢だからこそ、ここまで突き抜けたMVが作れたのだろう。そして、視聴者の皆が納得して楽しめているんだと思う。漢でなければ、ここまで話題にならなかったかもしれない。

- アーティスト: 漢 a.k.a. GAMI,GRADIS NICE,Drum Gang,DJ BAKU,LORD 8ERZ,Clyde Strokes,Hitman D,I-DeA,DJ SCRATCH NICE
- 出版社/メーカー: 鎖GROUP
- 発売日: 2018/02/28
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