コンデジとは、コンパクトデジタルカメラの略称である。最近、高級コンデジという言葉が流行していて、スマホ以上に性能が良い3万円~10万円くらいのコンデジに注目が集まっている。
私も、コンデジが気になって色々と調べてみたのだが、困ったことに専門用語が多くてよく分からない。素人の私には、F値やシャッタースピード、絞りなどと言われても分からないのだ。
色んなサイトを見ても良く分からないし諦めようかと思ったが、逆に火がついて本気で調べてみることにした。
今回の記事では、カメラに関して全くの無知である私がネットをフル活用して情報を集めてみたので、それを紹介する。これから高級コンデジの購入を検討している人に役立つ記事のはずだ。
また、色々調べた結果、あるコンデジを購入したので、そのことも書いていきたい。
高級コンデジと一眼レフとミラーレスの違い
大きな違いはひとつ。コンデジはレンズが変えられないが、一眼レフとミラーレスはレンズを変えられる。
レンズを変えることで、凄い遠くまでズーム出来たり、凄い広角で撮れるようになる。また、光を多く取り込めるレンズを使えば、より高画質な写真が撮れる。
しかし、コンデジでも遠くまでのズームや広角な写真は撮ることはできる。凄いというレベルで出来ないだけなので、スマホに比べるとズームしたときの画質は雲泥の差だ。
高級コンデジと一眼レフの違い
- 一眼レフ:レンズを使いこなすことでクオリティの高い写真が撮れる
- 高級コンデジ:レンズは変えられないが、オールマイティに使える
スマホと高級コンデジの違い
大きく違うのは、暗い景色の撮影とズームしたときの画質だろう。スマホでも2000万画素など高性能なカメラが搭載されているが、スマホは暗闇とズームに弱い。
食べ物や単純な風景などの撮影では見分けがつきづらいかもしれないが、暗闇での撮影やズームしたときの画質は雲泥の差である。
ただ、はっきりと差が出てくるのは高級コンデジレベルになってからだ。3万円~くらいから目に見えて画質が違ってくる。
1万円~2.5万円くらいのコンデジだと、機能そのものも大した違いがないので、画質の違いが分かりづらい。スマホ本体の値段が10万円くらいであることを考えると、それなりの性能のカメラを搭載してたとしても不思議ではない。
高級コンデジのメリット・デメリットとは?
一眼レフやミラーレスと比べて、高級コンデジにはどんなメリットとデメリットがあるのか。初心者目線で説明していく。
高級コンデジのメリット
- コンパクト・軽量である
最大のメリット。最近のコンデジはポケットに入るレベルで小さく、500mlペットボトルと同じくらいの重さしかない。高級コンデジであれば高性能な機能も搭載している。
- レンズを変える必要がないため撮影の荷物が少ない
一眼レフやミラーレスはレンズを持ち歩かなければいけないが、コンデジはレンズを交換できないので持ち歩く必要がない。レンズはかなり大きいので、これがないことは大きなメリットである。
- 費用が安く楽しめる
一眼レフとミラーレスに比べると安い。レンズ代もかからないので、投資額が少なくカメラを楽しめる。
高級コンデジのデメリット
- 凄い遠くを撮影することが苦手
レンズを変えられないので、ズームができない。できないこともないが、ズームすると画像が荒くなってしまう。
- 暗闇に弱い
一眼レフに比べると光を取り込める量が違うため、コンデジは暗闇に弱い。ライブの撮影などは苦手だ。ただ、スマホに比べると圧倒的に強い。
- あまりにも速いモノは撮れない
一眼レフに比べるとコンデジはシャッタースピードが遅いため、速いものを捉えきれない。例えば、水しぶきを時間が止まったように綺麗に撮ることは難しい。動いている子供くらいなら捉えられる。
- カメラを極めるには物足りない
プロとして写真を撮りたい、写真を撮ることを生業としたいといった、仕事レベルでカメラを使う場合、レンズ交換のできないコンデジでは応えられない。一眼レフ一択になる。
高級コンデジがおすすめな人
- 日常から持ち歩いて使いたい
- 費用はなるべく安く抑えたい
- 凄い遠くの景色や凄く速いモノは撮らない
- 暗い景色を超高画質レベルで必要としない
以上の項目に当てはまる人は、一眼レフやミラーレスよりもコンデジがおすすめである。
高級コンデジを使いたいシーンや場面は?
高級コンデジを使いたいシーンや場面を具体的に想定しておくと、自分に必要な機能が見えてくる。夜景が撮りたいのか、動く人を撮りたいのか、自然を撮りたいのか。場合よっては、コンデジでは応えられない可能性がある。
カメラの機能について詳しく説明していくので、自分にとって必要な機能がコンデジに搭載されているのかどうか、見極めて欲しい。
高級コンデジの機能「撮像素子・センサーサイズ」
撮像素子という言葉で表され、センサーサイズとも呼ばれる。このサイズが大きくなるほど取り込める光の量が多くなり、綺麗な写真を撮れるようになる。
高画質な写真を撮影するうえで、最重要機能といえる。画素数がよく話題になるが、画素数と画質はあまり関係ないので気にしなくていい。簡単にいうと画素数が高くても撮像素子が小さければあまり意味がない。
機材ごとのセンサーサイズの目安
- 高級一眼レフ:フルサイズ( 36mm×24mm)
- 一眼レフやミラーレス:APS-C(23.7mm×15.7mm)
- 超高級コンデジやミラーレス:4/3型(17.3mm×13.5mm)
- 高級コンデジ:1インチ型(13.2mm×8.8mm)
高級コンデジを買うなら、最低でも1インチ型くらいは欲しい。スマホとは明らかに格が違う。1インチ型でも、スマホのセンサーサイズの4倍以上である。
センサーサイズは自分で調整するものではないので、初心者でも凄さが分かりやすいと言える。調整できない=使いこなさなくていい、というわけだ。
高級コンデジの機能「F値・シャッタースピード・ISO感度」
夜景や星空のような暗いものを撮影する場合に関わってくる機能は、主に「F値・シャッタースピード・ISO感度」の3つである。
1.F値(絞り)
どれだけ多くの光を取り込めるかに関わる機能。レンズを絞って調節することから、絞りとも言われる。夜景のように光が少ない景色を撮影する場合、どれだけ光を取り込めるかがカギになる。
F値が小さいほどレンズが大きく開くため、多くの光を取り込める。だから、暗い景色を撮る際はできる限りF値を小さくする。
目安の基準値だが、F値が2.0~4.9くらいだと高性能と言っていい。
F値はズーム時の画質にも影響する。F値には広角側と望遠側の2種類がある。例えば、「広角側:2.0(ズームなし)望遠側:4.9(ズームしたとき)」と表記されている場合、「F値が2.0なので、広角で撮るときは光を取り込む機能(F値)が優れているが、望遠(ズーム)して撮るときはF値が4.9と大きくなってしまうため光を取り込みずらくなる」ということが分かる。
光を取り込みづらくなる=画質が低下する、であるため夜景の一部をズームして綺麗な写真を撮りたい場合などは、望遠側のF値も注視すべきである。
コンデジでF値が2.0~4.9もあれば、望遠(ズーム)した写真もそれなりに綺麗に撮れるため、高性能といって間違いない。
また、F値は写真にボケ感を出すのにも重要な機能だ。ボケ感じを出してお洒落な写真を撮りたいのであれば、重要視すべき機能である。
2.シャッタースピード
シャッタースピードとは、読んで字のごとくシャッターが開閉するスピードのことだ。理屈は単純で、シャッタースピードが早いほど光を取り込みにくくなり、遅いほど光を取り込みやすくなる。
また、シャッタースピードが早いほど動きのある被写体に強くなり、遅いほど動きのある被写体に弱くなる。
例えば、星空のような動きがなく暗い景色を撮影する場合。動きのない被写体であるため、シャッタースピードを限界まで遅くして光を多く取りこむことが出来る。
運動会のように、被写体がよく動いて明るい景色を撮影する場合。景色が明るいため光を取り込む必要がなく、シャッタースピードを早くして被写体を捉えることが可能だ。
このように、シャッタースピードは光の取り込みに加えて被写体の動きにも関係している機能である。運動会やライブなど動きのある被写体の撮影にカメラを使うなら、シャッタースピードは注視すべきだ。
シャッタースピードの目安
1/2000もあればかなり早い部類に入る。電車や車などもピタりと止めて撮影可能だ。1/3200くらいになると、時間が止まって見えるレベルである。運動会レベルなら1/500もあれば十分だ。
しかし、忘れてはならないのがシャッタースピードを早くすると光を取り込みにくくなる理屈だ。無暗にシャッタースピードを早くすると、光を取り込めなくなり画質が低下する。
例えば、被写体の動きが速くシャッタースピードを早くしなければ捉えられない場合は、絞り(F値)をできる限り小さくして光を取り込めるように工夫する必要がある。
3.ISO感度
ISO感度とは、光を感じる感度を表す機能である。数値が高いほど光を感じることが出来るため、暗い景色でも明るい写真が撮影できる。(性質としては、撮影した映像を明るくしている感じ
反面、ISO感度が高くなると画質が粗くなるため、ISO感度を上げればいいというものではない。
ISO感度の目安
- 100~800:明るい場所で綺麗に撮影したいとき
- 800~3200:室内や夜景など明るさのない場所で撮影したいとき
- 6400~:ライブハウスなどかなり暗い景色を撮影するとき
6400までISO感度をあげると画質の低下が著しくなるので、普段は使わないことが望ましい。使える場面としては、夜景など動きのない被写体を撮影するときだ。
動きのない被写体であれば、シャッタースピードを遅くして光を多く取り込むことが可能なので、画質の低下を防ぐことができる。
暗い景色を明るく写真を撮る機能のまとめ
今回説明した「F値・シャッタースピード・ISO感度」の3つの機能は、暗い景色を撮影するときに重要な機能である。もし、コンデジの用途に「夜景の撮影」「暗い場所での撮影」が入っているのであれば、この3つの性能は拘るべきだ。
高級コンデジとしての目安のライン
- F値:2.0~4.9
- シャッタースピード:~1/2000
- ISO感度:~6400
これくらいあれば、夜景や暗い景色の撮影も上手くいくだろう。特に、F値とISO感度の差は価格の差になるくらい重要な機能なので、よく検討すべきだ。
高級コンデジの機能「F値・ズーム・焦点距離」
撮影するものの距離に関係する機能は、「F値・ズーム・焦点距離」の3つだ。F値については先ほど説明したので、ズームと焦点距離について説明する。
1.ズーム
ズームとは、写る範囲を変える機能である。深くズームすれば遠くの景色が写り、ズームを浅くすれば広い角度で撮影が可能になる。
また、写る範囲を画角という。つまり、ズームとは画角を調整する機能ということだ。
ちなみに、光学ズームと電子ズームの違いは、下記のような感じ。
電子ズーム:ズームすると画質が低下する
光学ズーム:ズームしても画質が低下しない
2.焦点距離
焦点距離とは、レンズの中心からセンサーまでの距離を示す数値である。簡単に言えば、短いほど広角(広い画角)に撮れて、長いほど望遠(狭い画角)に撮れる。
広角は、景色をより広い範囲で切り取って撮影できるため、臨場感が出てシャープな写真になる。
望遠は、景色をより狭い範囲で切り取って撮影できるため、ボケ感を出したり一部分をクローズアップして写真に出来る。
一般的な焦点距離の目安
- 広角レンズ:~24㎜
- 標準レンズ:35㎜(人間の視野に近い)
- 望遠レンズ:100㎜~
レンズを変えられるメリットはここに現れる。一眼レフであれば、480~960㎜クラスの望遠を取り付けることでかなり遠くの景色まで撮影することができるのだ。
コンデジでは、最初からついているレンズしか使うことが出来ない。高級コンデジでも24㎜~250㎜くらいが限界なので、あまりにも遠くの景色を切り取って撮影することは苦手である。
しかし、いくら高倍率なズームを備えていても、センサーサイズが小さかったり、F値の幅が狭い場合には、ズームしても綺麗な写真は撮れない。だから、自分にとってどのレベルでズームが必要かよく考えるべきである。
私の意見としては、普段使いで高倍率なズームはいらないと思う。多少のズームなら自分が動いたほうが早い。
ズーム機能よりもセンサーサイズやF値が高性能であるほうが、コンデジとしてスマホに大きな差をつけられるだろう。
スポーツ観戦にはズーム機能が重要
ただ、スポーツ観戦で使う場合、ズーム機能は非常に重要である。かなりズームしなければ選手の顔や細かいプレーが見えない。スポーツ観戦に使うのであれば、300㎜くらいはあってほしいところ。
まあ、スポーツ観戦のようにその場から動かずに落ち着いて撮影ができるなら、コンデジではなく一眼レフを買ったほうが満足がいくだろう。
高級コンデジの機能「Wi-Fi機能・防水・可動式液晶」
どんなカメラが使いやすいのかは人それぞれであり、一概に決めることはできない。ただ、多くの人があったらいいなと思う機能は、「Wi-Fi機能・防水・可動式液晶」の3つである。ちなみにこれらの機能は、画質には全く影響しない。
1.Wi-Fi機能
Wi-Fi機能は、SNSが発達した現代では重要な機能といえる。撮影した写真をリアルタイムでSNSに投稿したいはずだ。
ミラーレスなら大体がWi-Fi機能を備えているが、コンデジは備えていないものも多いのでまずは確認したほうが良いだろう。
「別になくてもいい。あとでパソコンから取り込む」という人もいるだろうが、仕事レベルでカメラを使うならいいと思う。趣味レベルで使うなら間違いなく面倒臭くなってカメラを使わなくなるから、Wi-Fi機能は必須だと思っておこう。
2.防水機能
防水機能は、アクティブにカメラを使うならあったほうがいい。水辺や山など、タフな環境で使う予定がある人向けの機能である。
しかし、防水機能を備えているデジカメは、総じて写真を撮ることが苦手だ。当たり前だが、一長一短があるので単に「防水のほうがいいじゃん」と考えて選ばないほうが良いだろう。画質を犠牲にして防水機能がついているのだ。
3.可動式液晶
可動式液晶は、いらないように思えて重要な機能である。何故なら、自撮りのしやすさが段違いだからだ。固定式液晶は、基本的には自撮りができないが、可動式液晶なら実に簡単に撮ることが出来る。
SNSにおいて自撮りは最重要素であるため、若い人は可動式液晶を選んでおこう。
私が購入した高級コンデジ「PowerShot G9 X Mark II」
我ながら、初心者からよくここまで調べたと思う。しかし安い買い物ではないので、これくらい調査しなければ購入まで至らなかっただろう。
私が購入したコンデジは、Cannonの「PowerShot G9 X Mark II」である。ビッグカメラで42500円だった。
PowerShot G9 X Mark IIを選んだ理由
私がコンデジに求めていた機能は、下記の通りだ。
- 夜景に強い
- スマホの差がはっきりしている
- Wi-Fi機能でスマホとすぐに連携できる
- ある程度のズームができる
- 5万円以内
具体的には、ライブを撮影したかったのである。
ライブハウスやクラブは、非常に暗いうえにアーティストもよく動くので、スマホでは全く撮影できないのだ。だから、夜景のような暗い景色に強くてスマホよりも高画質なカメラが欲しかった。
また、ライブでは自分も観戦するしステージまで距離があるので、コンパクトであることに加えてある程度のズーム機能が必要だった。その場で写真を共有もしたいので、Wi-Fi機能もあると嬉しかった。
そんな私の要望を満たしてくれるのが、PowerShot G9 X Mark IIだった。
PowerShot G9 X Mark IIの機能
PowerShot G9 X Mark II
- センサーサイズ:1.0型(スマホに比べてかなり綺麗に撮れる)
- F値:2.0~4.9(2.0もあれば夜景に強いといっていい)
- 焦点距離:24mm~84mm(遠くの景色は切り取れないが私には十分)
- 光学ズーム倍率:3倍(ちょっと惜しいが、これくらいあれば十分)
- タッチパネル:あり
- ファインダー:なし
- 液晶:固定
- シャッタースピード:モードの切り替えによって30~1/2000まで可変
- ストロボ:内臓ストロボ
- 起動時間:1.1秒(これは爆速レベル。速すぎて焦る)
- Wi-Fi / Bluetooth:あり
- 大きさ:98.0×57.9×31.3mm(iPhone6sより小さい*厚みはある)
- 重さ:約206g(缶コーヒーとほぼ同じ)
- 撮影可能枚数:235枚(旅行に行くなら予備必須)
- 価格:ネットでおよそ4万円・店舗で4.5万円
分かりづらいと思うのでまとめると、
「高画質で夜景にも強くそこそこのズームが出来て、Wi-Fi機能が搭載されている非常に軽くてコンパクトなコンデジ」
である。そして、5万円以内で購入できる。私の願望をすべて叶えてくれるコンデジというわけだ。
他にも、SONYRX100やPowerShot G7X Mark IIなど、迷ったコンデジはあったが、PowerShot G9 X Mark IIでよかったと思う。いろいろなサイトでもカメラ入門機としておすすすめされていたので、高級コンデジが欲しい人にはおすすめだ。
特におすすめなのは、私のようにライブを綺麗に撮りたい人。コンパクトだから邪魔にならないし、コンデジの中でも高性能である。きっと使用者の望みを叶えてくれるだろう。
高級コンデジの選び方をまとめ
高画質な写真を撮りたいなら、センサーサイズ:1.0型以上
夜景を綺麗に撮りたいなら、F値:2.0以下
速い被写体を撮りたいなら、シャッタースピード:1/1000以上
遠くの景色を切り取りたいなら、望遠側の焦点距離:100㎜以上
高級コンデジを買うなら、3万円~10万円くらいは必要
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