フリースタイルダンジョン8月14日|R-指定と呂布カルマが再戦
フリースタイルダンジョン8月14日放送分の感想記事。
ACEを倒したR-指定、次は因縁の相手「呂布カルマ」と運命の再戦!
フリースタイルダンジョンでは伝説のバトルを残したR-指定と呂布カルマ。
通算で3度目となる2人の対決はどのような結末を迎えるのか。
衝撃の結果!!
前回のフリースタイルダンジョン|R-指定 vs ACE
前回のフリースタイルダンジョンでは、R-指定とACEが対決した。
ACEの調子も悪くはなかったが、R-指定のオールラウンダーぶりが見事に炸裂し、R-指定が勝利。
2代目モンスターは、R-指定を3rdステージまで進めさせてしまう結果となった。
詳しくはこちらの記事に書いているので、ぜひ読んでみてほしい。
R-指定vs呂布カルマ|フリースタイルダンジョン
ACEを倒したR-指定の進撃を止めるべく、3人目の2代目モンスターとして「呂布カルマ」が登場。
前回、フリースタイルダンジョンで2人が対戦した際のバトルは、もはや伝説のバトルとして語り継がれているものの、呂布カルマにとっては屈辱の敗戦であった。
UMBから数えると、2人が戦うのは今回が3回目である。
3度目の正直で、呂布カルマはR-指定に雪辱を晴らすことが出来るのか、大注目の一戦だ。
2人は、バトル前コメントで以下のように語っている。
呂布カルマのバトル前コメント
「(二度とR-指定とはやりたくないと思ってた、オファーが来ても断ろうと思ってたから)お前、絶対くんなよって言ったら『いや絶対に来ません!』ってつい何か月前に言ってたんで……よくそんな嘘つけるなって失望しています」
R-指定のバトル前コメント
「呂布カルマの自分のキャラクターを演じ切る力は圧倒的な強さでもあるし、追い込まれたときの弱点でもあるのかな。もっと大人げなくていいと思う、何でも出来る人なんで」
冷静に分析するR-指定といつも通りの呂布カルマ。
対照的な2人のバトルはどうなるのか。
1ラウンド|R-指定容赦なし、だが呂布カルマ
呂布カルマが先攻、R-指定が後攻でバトルがスタート。
呂布カルマは、リベンジだからといって気負っている様子はなく、普段通りに相手のダサい部分をついていく。
呂布カルマらしく、観客や審査員を頷かせるようなラインが多かった。
また、呂布カルマらしくない感情の発散みたいなラインもあって、それがむしろ会場に受けていたように思う。
対するR-指定はフロウはほとんどせずに、しっかりと対話する形で話を展開。
観ているこっちが冷や冷やするくらい、呂布カルマを煽りまくる。
俺たちはどこまで行ってもただのラッパー
分かってんのかこのMother○○○○!
上記のラインが個人的に好きだったので、1ラウンドはR-指定かと思ったが、3:2で呂布カルマがこのラウンドを制した。
2ラウンド|呂布カルマ強い!R-指定危うし
このラウンドの呂布カルマはパンチラインを生み出しまくりだった。
前回、R-指定に負けたことによって、フリースタイルダンジョンで2代目モンスターをつとめたことによって、俺はさらに強くなったと主張。
R-指定は相変わらず対話型でラインを展開。
2バース目の終わりには、ユーモアの混じった細かいライムを一気に披露し、会場を盛り上げた。
しかし、それを呂布カルマが2バース目でひっくり返した。
R-指定にひとつひとつアンサーを返しながら、最後に下記のパンチラインを落とすという強さ。
しかし、判定は3:2でR-指定が勝利、勝負は第3ラウンドに持ち込まれた。
いつだって子供は親を超えていくもんだ
お前が生み出したモンスターが俺だ、受け止めろ
3ラウンド|呂布カルマ、雪辱を晴らす!!
先攻から切れ味抜群の呂布カルマ。
ロックフェスに参戦するクリーピーナッツをヒップホップとは認めないといった主旨でR-指定を攻め立てた。
それにたいしてR-指定は冷めた目線から冷やかしと説教を半分ずつといった感じ。
バイブスはほとんど使わず、ライムもほとんど踏まなかった。
呂布カルマは2バース目でも主旨を変えずロックフェスとそれに参加するR-指定をディス。
そして、R-指定から何度も言われている「ブーメラン」について下記のラインで完全にアンサーした。
ブーメランは確実にお前の首を切り裂いて
俺の手元に戻ってくる
このラインを食らってもR-指定は揺らがなかった。
冷静に自分のスタイルをセルフボースし、慌てることなく2バース目を締めた。
正直、どちらに判定が転がるのか見えなくて、「どうなるんだ!?」って思ったのだけど、判定は3:2で呂布カルマだった。
やはりブーメランのアンサーが審査員の心を掴んだのだろう。
このように1発のラインの重みが勝負を決するあたり、流石は呂布カルマである。
R-指定は、呂布カルマ戦ではバイブスもライムもなりを潜めた状態で、何となく本気じゃなかったのかなという感じだった。
本気ではあったんだろうけど、もう少しスキル勝負が観たかったかな~というのが本音。
因縁の2人の対決は、呂布カルマの勝利で幕を閉じた。
フリースタイルダンジョン|R-指定と呂布カルマはもうやらない
R-指定と呂布カルマの2人は、ヒップホップに対する姿勢や貫くためのスタイルが違いすぎるので、どこまでいってもどちらが勝つということはなさそうだ。
お互いが自分の信じるヒップホップを貫いているので、対話型のバトルになると観客としても手を挙げられない。
MCバトルとしてのスキル勝負になれば、”その場でどちらが格好良かったか”で判定ができるけど、今回は対話型のバトルだった。
今後、もし呂布カルマとR-指定が対戦することがあったとしても、同じように甲乙のつけられないバトルになると思う。
観客もなんとなくわかっていると思うので、今後2人が無理にバトルすることは望まないだろう。
そういう意味でも、R-指定と呂布カルマはバトルしないんだろうなと思った。
フリースタイルダンジョン【初代モンスター襲来編】終幕
R-指定が負けたことにより、これで「フリースタイルダンジョン【初代モンスター襲来編】」は幕を閉じる。
てっきり、R-指定は4thステージまで引っ張るシナリオだと思っていたのだけど、呂布カルマがその進撃をストップした。
やはり、リアルなヒップホップにおいては番組のご都合主義も通用しないということだろう。
そりゃそうである。
番組の都合で負けさせられるなんて、魂を懸けているMCからすればたまったものではない。
ヒップホップを愛するZeebraがそんなことをするはずがないのだ。
フリースタイルダンジョンはいったんこれにて落ち着くと思うけど、まだまだやばいチャレンジャーが控えているようなので、またすぐに熱いバトルが繰り広げられるだろう。
ブームが去りつつあると言われてはいるものの、残るものはきちんと残るし、舞台が変わってもMCたちの熱量や姿勢は変わらない。
UMBや戦極、KOKといった地上波の日の目を浴びないところでも、名バトルはずっと残り続ける。
フリースタイルダンジョンも、ブームの後に文化が残るような番組になれると思う。
今後も、フリースタイルダンジョンから目が離せない。
creepynutsから発売された〔INDIES COMPLETE〕。「刹那」や「足りないふたり」といった過去の名曲が全て詰まった最高のアルバムなので、最近R-指定を知ったという人にはイチオシのアルバムである。