渋谷にあるグラフィティを100枚撮影
グラフィティの盛んな街といわれて、渋谷を思い浮かべる人も多いと思う。
ドラマや漫画でも、渋谷の街でグラフィティ集団がいざこざを起こしていたり、新宿や原宿と比べても「若いやんちゃな街」というイメージが強いので、グラフィティと結びつけやすいんだよね。
でも、〔渋谷=グラフィティが盛んな街〕のイメージはあっても、実際はどうなのか?
疑問に思う人もいるんじゃないかな。(私はそうだった)
歩いていて見かけるものではあるけど、意識して探すことってあんまりないと思うんだよね。
今回の記事では、私は実際に歩いて渋谷の街のグラフィティを【100枚】撮影してきたので、それをお届けする。
実際にどんなグラフィティがあるのか?
本当に渋谷はグラフィティが盛んなのか?
実際に歩いて撮影してきたので、リアルな情報だ。
グラフィティとは?
写真をお見せする前に、まずグラフィティとはそもそも何なのか?
基本的なことを書いておきたい。
グラフィティとは、ヒップホップの4大要素のひとつであり、アメリカを発祥地とする文化だ。
もともとは、ギャングたちが、自分たちの縄張りを証明する【マーキング】的な意味合いで用いられていたらしい。
それが、日本へ輸入されるにあたって、マーキングに加えて【落書き】の意味もくっつくようになり、街のいたるところにグラフィティが描かれるようになった。
使われる道具は、スプレーやフェルトペンが主で、グラフィティを描く人のことを「ライター」「ペインター」という。
所有者の許可なく描かれるグラフィティは犯罪行為であり、警察に捕まれば器物損壊の罪に問われることになる。
グラフィティには独特なルールがある
グラフィティには独特なルールがあったそうだ。
今でもそれが守られているのかどうかは分からないが、一見、ルール無用の世界に思えたグラフィティにも、暗黙のルールが存在している。
それは、「人の作品に自分のグラフィティを重ねるときは、さらに高いクオリティで描かなくてはいけない」というルール。
実力のないライターは、グラフィティを重ねることを許されなかった。
超実力社会。
アンダーグラウンドらしいカルチャーの発展方法だなあと思った。
腕っ節があればいいというシンプルなルールに、みんなが従う。
私の考えだけど、ルールは少ないほどそのカルチャーが幅広く育つと思うんだよね。
ルールがなければ、自分でどうすればいいのか考えるから。
それぞれが自分なりの答えを出せば、その分だけカルチャーが広がるわけじゃない?
ルールがあると、それに則っている限りは、思考停止状態でも成果を上げられちゃったりする。
そこに創意工夫はないし、人間味も感じづらくて、カルチャーの広がりを見出すことは難しいんじゃないかなーって思う。
もちろん、そうではないカルチャーもあるから、一概には言えないのも確か。
グラフィティは、そのあたりがとってもシンプルだから、純度の高い削り合いが行われていたんじゃないかな。
渋谷のグラフィティ【厳選20枚】
それじゃあいよいよ、私が撮影してきた渋谷のグラフィティを紹介する。
ただ、100枚以上撮影してきたのだけど、100枚すべてを記事に載せていたらとんでもなくページが重くなってしまうので、厳選した20枚でまとめていきたいと思う。
ざっくりとした場所も書ければと思うから、気になった人は観に行ってみるのも楽しいかもしれない。
そこで撮影とかすれば、ニューヨークで撮った写真みたいに仕上げることもできると思う。
渋谷のグラフィティ20選スタート
確か、渋谷のニトリの近くで撮影したグラフィティ。
2階と3階に描かれていて、「あんなところまで登ったんかなー」と感心しながら撮影した。
渋谷オーイーストに向かう坂の途中で見つけた一枚。
個人的にすごく好き。
くっきりと描かれたグラフィティ。
雨に当たらない場所に描かれていたからなのか、ほかのグラフィティに比べてはっきりと映っていた。
場所を完全に忘れた。
覚えていることは、中心街からは完全に外れた場所だったということ。
神泉駅とかその辺が近かったかな……。
ここのグラフィティは、いろんな人が観たことあるんじゃないかな。
センター街から少し小道に入ったところで、すぐ近くにスポーツショップがある。
壁一面にグラフィティが描かれていて、今回撮影した中でも面積が広めのグラフィティだった。
2階くらいの高さにグラフィティされている1枚。
どのへんだったかな……タコベルとかあった気がする。
5枚目とほとんど同じ場所にあるグラフィティ。
このグラフィティは、広い範囲にがっつり描かれていて、結構見応えがある。
ちょっともう、大きすぎて撮りきれなかった。
グラフィティなのかどうか微妙な気もするけど、規模だけでいえば渋谷で一番大きくてダイナミックなグラフィティ。
サイゼリヤとか東急ハンズの近く。
確かセンター街のど真ん中にあるグラフィティ。
これもグラフィティなのかどうか分からないんだけど、すごいなーと思ったから選出した。
これだけ隙間なくペイントしつつ、全体の構成を破綻させずに調和させるのって難しいんだろうなあ。
すごいところに描かれたグラフィティ。
「あそこまで登ったんか!?」と驚きながら撮影した。
いきなりステーキのすぐそば。
確か、マークシティの近くだった気がする。
あんまり人がいなくて、閑散としてた。
お店のシャッターにがっつり描かれたグラフィティ。
主人はOK出しているのかな……。(場所は忘れた)
個人的にとても好きなグラフィティ。
グラフィティだけじゃなく、ペタペタと貼り付けられたステッカーたちがいい味を出しているなあと思った。
ただ、もちろん違法だと思うので、褒められたことではないのだろう。
私個人では、なにを言う資格も権利もないので、好みかどうかだけで発言させてもらう。
ちょっと色が薄いけどユニークなグラフィティ。
右端のキャラクターは何なんだろう?
〔BEE8〕っていうバーのすぐ近く。
グラフィティというより、漫画に近い一枚。
こういうのもあったということで選出した。
8枚目と同じ建物に描かれたグラフィティで、違う角度から見る図がこれだ。
フクロウと子供というなんともいなたい組み合わせ。
多分、これは依頼されて描いたグラフィティなのかな。
今回撮影した中で、一番グラフィティぽくて綺麗だった。
何処だったか完全に思い出せない。
近くから撮影してるせいで情報もない。
ちょっと大きかったので見切れてしまっているけど、かなり完成度の高いグラフィティ。
これは完成させるまで大変だっただろうなあ。
ガンダムと……イカかなこれは?分からん。
最後の一枚はこのグラフィティ。
立体駐車場みたいなところに描かれてる。
写真の右上にも映っているんだけど、「落書きは止めてください。監視カメラに写っています」という文言の張り紙が出されている。
ついでに落書き禁止の張り紙も撮影
ついでに、「落書き禁止の張り紙」も撮影してきた。
この3枚以外にも、いたるところに貼り付けられていて、渋谷にはまだライターやペインターがいるんだなーって思った。
渋谷をいい街にするためには、こういった草の根活動が大切なのかもしれない。
渋谷のグラフィティ【まとめの感想】
以上20枚+3枚が、渋谷で実際に歩いて撮影してきたグラフィティたちだ。
「渋谷ってグラフィティはまだあるの?」という疑問については、「ある」ということで答えられたかと思う。
ただ、「渋谷ってグラフィティの街なの?」という疑問については、正直答えが出せなかった。
私が想像しているよりも、グラフィティの数は少なかったし、何よりも、渋谷そのものがグラフィティを本気で受け付けていなさそうだった。
渋谷=やんちゃで少し危険な街という印象を払拭するためにも、グラフィティの文化はイリーガルな形で残したくないのだと思う。
まあそりゃそうだと思う。
許可のないグラフィティは違法行為だから、認められることはない。
ただ、思うのは、渋谷の魅力はそういったイリーガルなところにあったのかもしれないということ。
良い悪いの話ではなく、人を惹きつけるかどうかの話で。
やはり、渋谷といえばグラフィティやスケートなどのヒップホップや、クラブ文化といったアンダーグラウンドの危ない印象がある。
そして、それを目当てに来る人間も沢山いるはずだと思うんだよね。
私の周りでも、渋谷=危ない街という認識の人はたくさんいる。
そういった認識の人たちが、渋谷に何を期待しているのかって、イリーガルな一面だったりするんだよね。
だから、クリーンになった渋谷を見て、期待とすこし違ったという思いは少なからず抱くんじゃないかな。
もちろん、それで「渋谷良い街になってる!嬉しい!」という人もいれば、「渋谷、なんか拍子抜けだな」と思う人もいるので、何が正しいとかじゃない。
私は、若干の寂しさのようなものを感じながら、今回の写真を撮影した。
昔の渋谷を知らないし、グラフィティへの想いも深くないし、ずっとパンピーとして生きてきた私だけど、「渋谷、私でもぜんぜん大丈夫なんだ」と思った。
今回の撮影は、渋谷におけるグラフィティの現状から、渋谷の未来を垣間見えたような気がする。
えらそうですんませんした。
今回撮影に使ったのはこのカメラです。ポケットサイズで画質がめっちゃいいから、こういう歩きまくる撮影におすすめ。

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