Kvi baba(クヴィババ)とは
Kvibabaは、大阪府茨木市出身のラッパーだ。1999年生まれの19歳。2017年ごろからSoundCloudで自身の音楽を上げるようになり、それが音楽活動スタートのきっかけとなった。
2019年に入ってからは、EP「19」を発表したり、SALUやZORNといった著名なラッパーとコラボしたりと、徐々に日本語ラップのシーンで頭角を表してきている。
エモーショナルなラップが特徴的
Kvibabaの特徴は、エモーショナルなリリックとメロディアスなフロウだ。クラウドラップやオルタナティブロックに強い影響を受けたというKvibaba。
その影響は確実に彼の音源にも表れていて、心情風景を繊細にありのままの言葉で描くリリックセンスや、従来の日本語ラップとは違ったメロディの組み込み方など、Kvibabaにしかない魅力がたくさん聴いてとれる。
Kvibabaのヒップホップを聴いたときの感覚は、”聴いている”というよりは、言葉とメロディに”酔う”という表現のほうが正しいかもしれない。
メロディに酔うことはよくあるが、言葉でもその感覚まで連れて行ってくれるラッパーはそういない。
19歳でSALUやZORNと共演
Kvibabaのすごいところは、19歳という若さでSALUやZORNといった著名なラッパーと共演を果たし、かつ彼らに飲み込まれていないことだ。
SALUもそうだがZORNは特に”客演食い”として知られている。ZORNが客演するとZORNのバースがヤバすぎてほかのラッパーが霞んでしまうということから、そのようなことが言われているのだけど、Kvibabaは、19歳にしてZORNの”客演食い”に飲み込まれず、対等に渡り合ってみせているのだ。
客演するだけでも十分すごいことだけど、食われないことも相当すごいことといっていいだろう。
Kvi baba(クヴィババ)のおすすめ曲を5つ紹介
そんなやばいラッパーであるKvibaba。私も最近知ったのだけど、音源はどれを聴いてかなりやばい。おすすめ曲を5つにまとめて紹介するので、ぜひ聴いてみてほしい。SALUやZORNとの客演曲や、最新EP「19」の曲もピックアップした。
Invisible Lights feat.Kvi baba & ZORN

Invisible Lights (feat. Kvi Baba & ZORN)
- アーティスト: DJ TATSUKI
- 出版社/メーカー: Air Waves Music
- 発売日: 2019/01/31
- メディア: MP3 ダウンロード
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「Invisible Lights」はDJ TATSUKIの曲であり、そこにKvibabaとZORNが客演としてfeatしている。ZORNのスキルは相変わらずで流石としか言いようがない。しかし、Kvibabaも全く負けておらず、しっかりとリスナーの心をロックしている。この曲全体から感じられるのは、包み込むような”優しい光”。日本語ラップというジャンルに収まらない規格外の一曲だ。
A Bright feat.SALU / Kvi baba
こちらはSALUが客演として参加している曲。リリックの抽象度が高い一曲で、日本語ラップにおいてはあまり見られない例である。人の心は突き詰めれば抽象的な感情の羅列になるため、そういう意味で「A Bright」人の心の奥底まで潜っている曲と言えるのではないだろうか。暗い心の奥底からでも光を受け取れる希望の曲、そう感じた。
Planted in Problem / Kvi baba
「Planted in Problem」は温かさと優しさにあふれた一曲だ。直接的にそれらを表現しているのではなく、メロディとフロウとリリックを上手く混ぜ込むことで間接的に感じさせている。私は「Planted in Problem」のフックが大好きだ。
Feel the Moon / Kvi baba
Kvibabaの中でもSF感の強い一曲。ちょっとだけ攻撃性があって、そこに日本語ラップらしさを感じる。とにかくフックが耳に残る曲で、それを聴いているとまさに”酔う感覚”を味わえる。こないだファミリーマートにいったら「Feel the Moon」のフックが流れていて、すぐに分かった。こんなところまできてるんだ、と思った。
Leave Me Alone / Kvi baba
ラブソング、だと思う。確信が持てないのは、捉え方次第でどうとでも取れるだけの余白が用意されているからだ。私はラブソングだと思って聴いていて、それで納得できている。聴いていると過去の恋愛における過ちや報われない片思いなどを思い出す。Kvibabaの持ち味であるエモさとラブソングは相性がいいみたいだ。
新進気鋭のラッパーKvi babaから2019年は目を離すな
Kvibabaについて、彼のバックボーンの簡単な説明からおすすめの曲まで紹介させてもらった。
Kvibabaの音楽は、明確に日本語ラップとしてカテゴライズされるものではないのかもしれない。メロディがついているし、攻撃性も少ない。Kvibaba自身も、HPではラッパー/シンガーソングライターと名乗っているので、きっと日本語ラップの枠に収まりきるつもりもないのだろう。
いちリスナーとしては、ジャンルの枠にとらわれず、Kvibabaの音楽というものを続けてほしい。それを聴き続けよう。
Kvibabaが現在出している2枚のEP
▼「19」
SALUとの客演曲などが収録されている。
▼「Natural Born Pain」
「Feel the Moon」などが収録されている。